雑記の日々

ミステリが好きで、京都サンガをひそかに応援し、スーパーGTを見に行ったりもし、音楽も好きで、映画も少し好きな僕のグダグダ雑記ブログです。

まず感想から読み終わって壁に叩きつけるべき本なのか迷った。
ちなみにいままで壁にたたきつけた本は数えるほどしかない自分だが、叩きつけようか迷った本は叩きつけた本の倍以上ある。迷っているうちに作者の狙いがわかったり真の結末に気づいたりして納得したり、もしくは諦めてしまったり。

この本の場合後者だった。期待に対する失望があったのも確かだが・・・

出版社/著者からの内容紹介
ついに発動する最高にエッジなメフィスト賞!
大塚英志が熱望し、法月綸太郎が仰天する才能。戦慄の20歳!!

内容(「BOOK」データベースより)
妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族は云うが。そして現れた男。手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。渡されたのはレイプ魔どもの愛娘達の克明すぎる行動表。こうされちゃあ、する事は一つ。これが自然な思考だね。そして僕は、少女達の捕獲を開始した。その果てに…、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず


ノリツキさんが「仰天する」ってとこにもう少し注意すべきだったか・・・
ってこんな書き方すればこの本がまるで全く読むべきところの無い駄本に聞こえるかもしれないが、そんなことも無い。途中までは割りと楽しんで読んでいたし、ご都合主義だなぁとは感じていたがミステリとしては許容範囲だとも思っていた。

でもなぁ・・・あのラストは酷い。読者を強引に引っ張ってきておいてもう少しでゴールというときに読者を蹴飛ばすような…あそこで巧くまとめることが出来れば評価も違っていたと思う。
強引につじつまを合わせるところなんて某作家を髣髴とさせる。

大幅に改定されらしい文庫で読んだのでノベルズがどうだったのかはわからないが、読む人を選ぶことだけは間違いない。個人的には10点満点の4点だが、人によっては10点もありえるような小説だ。

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫 (さ87-1))フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫 (さ87-1))
(2007/03/15)
佐藤 友哉

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最近注目度がますます上昇中の東野圭吾。
今回紹介するのはその作者の初期の傑作、「ある閉ざされた雪の山荘で」


出版社/著者からの内容紹介
1度限りの大トリック!
たった1度の大トリック!劇中の殺人は真実か?
俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。

早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!


この本は巨大などんでん返しを仕掛けてくる本だが、紹介文からも、作者と出版社の自信が伝わってくる。これだけ「読者を騙す」と、読者に対して挑戦的なまでにアピールしている。騙されるとわかっていて騙されるやつはいないと思うかもしれないが、この本には十中八九騙されるだろう。

また、本格作品に良く見られる「都合の良い初期設定(吹雪で山荘から出られない、次の連絡船まで孤島から出られないなど)」をなくすための、創意工夫も見られる。そのことは著者は「名探偵の掟」のような本格で遊ぶような作品もかいているが、それも本格への愛の表れなのだと思わせてくれる。

江戸川乱歩賞でデビューした作者のミステリ技が炸裂する本書をお勧めしないわけには行かない。
騙されたと思って、この本を読んで騙されて欲しい。9点


ある閉ざされた雪の山荘である閉ざされた雪の山荘で
(1996/01)
東野 圭吾

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ミステリファンにはかなりの高評価を受けている短編集がこの「亜愛一郎の狼狽」。
亜愛一郎という名簿で100%1番になるであろう青年を探偵役に据えたこのシリーズは3部作でこの本がその1冊目。でたのはもう30年も前だが、全く古臭くなく、楽しんで読めた。

ではこの本のどこがミステリファンに高評価なのか。
それはこの本がミステリのみで構成されていると言ってもいいほど、すべての文章が、謎とその解決のためだけにあるような本だからだと思う。そんな高密度な短編が全部で8編。
各短編とも、その気になれば長編に引き伸ばせてしまいそうな上質なトリックがふんだんに使われている。また、その着眼点も面白く、他のミステリとは一風変わった出来になっている。

謎解きの心地よさを味わうことができる本だ。
高評価にも納得の9点


奥田英郎といえば「イン・ザ・プール」に始まるホンワカ医者の伊良部を主人公とした筒井康隆のような「巧いなぁ」とおもわせるような話もあれば、「邪魔」、「最悪(未読)」のような、ミステリファンにも支持される作品もあり、どちらにしても読者を引き込む面白さを持った作家だと思う。

ではこのガールはどのような作品かといえば、前者に近い作品だと思う。
全部で5編の短編集で、すべて30代、独身の女性OLを主人公として描かれている。では男性が読むと面白くないのかと言うと、全然そんなことは無い。実際自分も女性側から男がどのように見られているのかを楽しんで読めた。読者を選ばない作品だと思う。

特別に「面白い!」と言えるわけではないが、軽い読書には丁度いいと思う。7点


この本をヒトコトであらわすのなら「問題作」が適当だろう。
読み終わった直後は壁に投げつけたくなったが、よくよく考えてみると、作者が「狙った」ということがわかる。でもそのことがすぐにわかるのは重度の本格ミステリ愛好家だけだろう。普通の読書好きがこの本を読んでも、全く理解できずに、駄作本と認定するだろう。
個人的にはまだ点数をつけることがはばかられる本である。

理由は追記から(少しネタバレかも)